ジブログ

テーマのないブログ

【映画】『ハウス・オブ・グッチ』 -映画メモ‐ ※ネタバレあり

 ブレードランナーで知られるリドリー・スコット監督の最新作『ハウス・オブ・グッチ』(2022)。リドリー・スコットといえば美術にも自ら手掛けているほど映画に対して真摯な監督である。

『ハウス・オブ・グッチ』はファッションブランド・GUCCIが辿る一族の歴史を実話を基に描かれた物語である。

youtu.be

 作品の良し悪しは置いといて、この映画で一番気になったのは何といっても主演のレディー・ガガだ。前半レディー・ガガ演じるパトリツィアの登場シーン。彼女は車から降り颯爽と彼女の父が経営する運送会社の事務所に向かう。事務所までの道では、従業員たちが彼女に見とれている姿を映している。ここで何か違和感を覚える。

レディー・ガガ自体はルックス的には何の問題もない。スタイルは他の女優と比べると劣るかもしれないが、指摘するほどでもない。

ここから、パトリツィアはアダム・ドライバー演じるマウリツィオ・グッチと出会い、物語が進むにつれ悪役になっていく。

マウリツィオと不倫するパオラを見て気付いたが、映画の悪役女性といえばブロンドじゃないか、ということ。もしかすると、レディー・ガガに感じた違和感は髪の色かもしれない。フィルムノワールに登場する悪役女性の髪の色はブロンドであることが多い。(筆者の見解です)

あのブロンドの髪が照明に照らされて、金色に輝くことでその美しさが際立つ。それと比例し、その女性の魔性さが際立つ。魔性な女に惑わされ、破滅の道を辿るのがフィルムノワールの1つの面白さと言えるのではないか。

しかし、『ハウス・オブ・グッチ』のレディー・ガガにはその魔性さが足りない。フィルムノワールじゃないから、魔性さなんていらないかもしれないけどそれにしてもパトリツィアには何故か惹かれない。

もしかすると、リドリー・スコットは"恋は盲目的"に、他人から見ると何に惹かれたのか分からない恋人同士とそれがきっかけで崩壊する家族の脆さを描きたかったのかもしれない。